〜 件数は4ヶ月ぶり100件割れ 〜
| 倒産件数 98件 | 負債総額197億4,400万円 |
| 前年同月比 |
件数 |
19件減 |
16.2%減 |
(前年同月) |
(05年8月) 117件 |
| 負債 |
313億4,700万円減 |
61.4%減 |
(前年同月) |
(05年8月) 510億9,100万円 |
| 前月比 |
件数 |
6件減 |
5.8%減 |
(前月) |
(06年7月) 104件 |
| 負債 |
8億7,100万円減 |
4.2%減 |
(前月) |
(06年7月) 206億1,500万円 |
【 8月の特色 】 ●件数は4ヶ月ぶり100件割れ。対前年割れ傾向に戻る。 ●最大の倒産はマグネ化学梶i福岡市)の負債24億円。 ●地区別では福岡が最多で不動。長崎が増加。 ●原因別では売上不振が最多、不況型倒産は10ヶ月連続70%台で高水準。 ●業種別では、建設業1位は不動で、増加。 ●規模別では個人事業主の破綻が増加し小口化傾向強まる。 ●全社の従業員総数は12ヶ月連続1,000人を下回る。 ●法的倒産は全体の58.2%を占め増加傾向。
【 概 況】 2006年(平成18年)8月度の九州・沖縄地区の企業倒産(負債1,000万円以上)は、件数が98件で前年同月比19件(16.2%)減少、前月比では6件(5.8%)減少となった。負債額は前年同月比313億4,700万円(61.4%)減少、前月比では8億7,100万円(4.2%)減少となった。件数、負債とも前年同月比、前月比いずれも減少した。件数は4ヶ月ぶり100件を下回り、対前年割れの傾向に戻った。前年同月には潟Tンクリエート(福岡市・負債200億円)など大型倒産があったが、今回100億円以上の大型倒産はなく、最大でもマグネ化学梶i福岡市)の負債24億円。負債10億円以上も2社にとどまり小口化の様相となった。 地区別では件数で福岡、大分、宮崎の減少幅が大きく全体の件数を押し下げた。負債は長崎、大分、沖縄の3県が前年を上回った。とりわけ前月に引き続き長崎の倒産増加が目立つ。福岡が32件で全体の32.7%(前年同月43.6%、前月42.3%)を占め地区別1位は不動であるが、構成比は減少し福岡一極集中が緩和された。 原因別は、売上不振が51件(構成比52.0%)で最多。不況型倒産(売上不振、採算割れ、焦付き・連鎖、回収遅延)は75件で全体の76.5%(前年同月74.4%、前月73.1%)を占め、10ヶ月連続で70%を超え、高水準が続いている。 業種別は、建設業が50件(構成比47.1%)で最多、建設業の中でも土業が増加し特出して多い。以下、小売業、サービス業と続いた。とりわけ小売業が前年比、前月比とも大幅に増加した。 規模別は、資本金別で個人事業主が大幅に増加し小口化傾向が強まった。従業員総数は833人(前年同月669人、前月847人)、11ヶ月連続で1,000人を下回った。平均従業員数は8.0人。 法的倒産は全体の51.9%(前年同月33.3%、前月48.2%)を占め、法的倒産が占める割合が増加した。
【主要破たん企業】
マグネ化学梶i福岡市、負債総額24億円) 8月2日福岡地裁に破産手続開始を申し立てた。 1973年7月設立。防錆・補強材「マグネライン」のメーカーで、橋梁の耐震補強や防錆、防触、塩害向けの材料及び工法を提供。大手化学会社と業務提携すると共に、全国の建材商社などを代理店、特約店契約を結び、それらを通じて販売していた。しかし、売上高は比較的安定していたものの、研究開発費への負担は重く、代理店から預った保証金を運転資金に流用し資金繰りに充てていた。こうした中、主力得意先で、多額の保証金を預っていた長崎不二コンクリート工業梶i長崎市)が本年6月行き詰まり、保証金の返済に迫られ資金繰りに行き詰った。
全九州観光梶i福岡県鞍手郡、負債総額10億円) 8月11日福岡地裁直方支部より特別清算開始決定を受けた。 1962年2月設立。1965年7月ホテルをオープンしたものの、その後ホテルは譲渡し、不動産賃貸業に業態変換、取得した土地に商業施設などを誘致して不動産賃貸収入を得ていたが、不動産購入に伴う借入金の返済負担は重く、事業継続が困難と判断、本年6月開催の株主総会で解散を決議、今回の事態となった。
武下建材梶i大分県日田市、負債総額8億9,400万円) 8月24日大分地裁日田支部に破産手続開始を申し立てた。 1917年創業、1964年法人化した老舗で、セメント、タイル等の左官材料を中心とした建材店として大分、熊本、福岡に拠点を配し基盤を構築。最盛期の2001年3月期には17億8,500万円の売上高を計上し日田地区業界トップの地位を築いた。しかし、近年の市況悪化で売上高は6億円にまで低下、過去の不動産取得に伴う多額の借入金が重荷となり、加えて取引先への貸付金2億5,000万円が不良化するなどして遂に行き詰った。
【 地区別 】 地区別の件数で前年同月を上回ったのは佐賀、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の5県。減少した県の下げ幅が大きく全体の件数を押し下げた。福岡県が32件で構成比は全体の32.7%(前年同月43.6%、前月42.3%)を占め、地区別1位は不動であるが、構成比は低下し福岡一極集中が緩和された。 負債額は前年同月を上回ったのは長崎、大分、沖縄の3県で、他は前年を下回った。前年、潟Tンクリエート(福岡市・負債200億円)など大型倒産がなく、全体の負債額は低水準に終わった。件数、負債とも長崎の増加が目に付く。
【 原因別 】 原因別は、売上不振の51件が最多で構成比は52.0%。以下、焦付・連鎖16件(16.3%)、放漫経営(7.1%)と続いている。前年比で焦付・連鎖、資本過小が大幅に増加した半面、売上不振が減少。不況型倒産(売上不振、採算割れ、焦付・連鎖、回収遅延)は75件で全体の76.5%(前年同月74.4%、前月73.1%)を占め、10ヶ月連続で70%を超え、高水準が続いている。
【 業種別 】 業種別は、建設業の50件(構成比51.0%)が最多で、2位以下を大きく上回る傾向が続いており、しかも構成比は対前年比18.5ポイントの大幅増。建設業の中では土木工事が21件で特出して多い。建設業の次に、卸売業、サービス業が同数の13件(13.3%)、小売業11件(11.2%)と続いた。
【 規模別 】
個人は、13件で全体の13.3%。法人は85件で資本金別内訳は、1,000万円〜4,999万円が49件(50.0%)、次に499万円以下26件(26.0%)と続く。1億円以上は0件(前年同月1件、前月0件)。個人事業主の倒産が2ヶ月連続で増加し小口化傾向を牽引している。 従業員別では、9人以下が75件(前年同月94件、前月72件)で全体の76.5%を占め最多。従業員50人以上の破たんは0件(前年同月4件、前月2件)であった。 全社の従業員総数は671人(前年同月1,077人、前月669人)で、12ヶ月連続1,000人割れ。平均従業員数は6.8人。 業歴20年以上が63件、構成比は64.3%で、11〜19年が22件(22.4%)と続き、順位に変動はなかった。20年以上枠の構成比が増加した反面、11〜19年枠が減少した。50年以上の老舗は9件(前年同月10件、前月4件)。最も長い業歴は89年であった。 負債1億円未満が51件、構成比45.9%(前年同月39.3%、前月41.3%)。負債100億円以上の大型倒産はなく、最大でもマグネ化学梶i福岡市)の24億円。負債10億円以上は2件(前年同月8件、前月5件)。
【 見通し 】 九州の企業倒産は4ヶ月ぶりに100件を割り、連続前年割れ傾向に戻った。負債も今年一番の低水準となり、依然として小康状態でることに変化はない。ただし、公共工事依存度の高い九州の建設業は厳しい局面を迎えている。とりわけ長崎県の今年4月からの公共工事累計は前期比で約30%(九州全体では約5%)も減少しており、同県の建設業の倒産が目立つ。対前年比プラスの県もあるが、従前頻繁に行われていた談合が瓦解する傾向にあり今後ますます淘汰の波に晒されるであろう。また、建設業に限らずいわゆる「格差」はより鮮明に表れている。ゼロ金利解除に伴う金利上昇や、信用保証協会による9段階の信用力に応じた保証料率適用などで、経営資源の移動ができず合理化が遅れている中小企業の経営環境は厳しさを増すものと思われる。 |