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(株)浅野工務店〜主力受注先の環境急変が要因に!
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(株)浅野工務店〜主力受注先の環境急変が要因に!この記事は週3回(地区によっては週1回)郵送でお届けする企業情報紙「東経情報」から抜粋したものです。東経情報についてはこちら>>> 地場では中堅にランクされ比較的安定していたと見られていた(株)浅野工務店(福岡市早良区)が7月25日、福岡地裁に破産手続開始を申し立て、負債総額2億7,618万円を抱え事実上倒産した。 【堅実展開が聞かれていたが】現代表が業界での経験を基に昭和52年4月に独立個人創業、同60年1月法人化した建築工事業者で一般個人を含む民間工事や官公庁の受注を交え比較的堅実な展開で基盤を確立していた。 【1社集中でさらなる業容拡大を図ってきたが】その後、平成10年頃から地場デベロッパーA社との受注関係が深くなり、同社からの受注が全体の60%内外を占めるようになり、同18年6月期には売り上げも11億2,000万円と10億円台を突破、A社の業容拡大に連動する形で右肩上がりの成長を遂げてきた。A社は地場でも有数のデベロッパーであり、同20年3月期の決算をみても増収増益と安定した業績を維持してきた。A社が賃貸ビルなどを建築し投資会社(ファンド)に売却という手法で業容を拡大、同業の一部業者もA社展開をモデルケースとするなどで先駆け的な展開で安定企業と評価を受けていた。しかし、ここにきてサブプライムローン問題や建築費の高騰、改正建築基準法など業界を取り巻く環境は急変し、不動産業、建築業などへの金融機関の査定も厳しくなっていた。 そのような中、A社は取得した物件の買い手として見込んでいた先が、相次いで後退、購入した不動産を抱え込むこととなり一気に動向が注目されるようになった。 (株)浅野工務店はA社からある物件を請け負っていたが、A社は取り巻く環境の急変から工事を中断した。しかし、工事は中断しても施工分の工事代金回収は確実であったという。 ところが、(株)浅野工務店の破産手続開始申立の陳述書によると「同工事の回収を条件に金融機関からの融資を受ける約束であったが、7月25日の決済を目前にして金融機関から融資はできないとのいきなりの厳しい回答」を受け一気に資金繰りに狂いが生じ破産手続開始の申立に至ったとしている。「受注先の環境にも最新の注意が望まれる時代に」一方的な陳述書の記載で真偽は定かではなく、責任回避的な言い訳ながら金融機関から「A社の依存度の高い業者には融資ができない」と言われたとしている。実際のところ全般的に金融機関の融資姿勢は、受注先の動向を含めて一層厳しく、相当の注意を払っているようである。 7月5日、民事再生手続開始を申し立てた真柄建設(株)(東証・大証一部)はマンションデベロッパーに焦げ付きが連続したことが要因。7月24日、民事再生手続開始を申し立てた三平建設(株)(東京都、ジャスダック上場)もデベロッパーへの焦げ付きが引き金に。7月30日に3度目の会社更生手続開始を申し立てた多田建設(株)は表面化しただけでも15億円内外のデベロッパーへの焦げ付きが発生している。このように受注先の倒産で多額の不良債権が発生して倒産するケースが多発している。また、九州地区大手の(株)志多組(宮崎市)も東京の複数のデベロッパーに大口焦げ付きが発生。一気に動向が注目され8月8日には負債総額278億円を抱え民事再生手続開始を申し立て事実上倒産した。その他にも東京のデベロッパー倒産による影響が危惧される業者も多発しており、一層ゼネコンの受注先の動向を把握することが重要視されている。当社のケースでは業績を伸ばす過程で1社に依存し業績を伸ばしてきたことは良かったのか悪かったのか。今までにも1社集中型による大口焦げ付きなどで企業の存続にも大きく左右してきたケースを何社も見てきた。当社の場合も主力先が倒産した訳ではないが、不動産市況の急変による受注先の今後という金融機関の判断から行き詰ったといえるようだ。 【今後も金融機関の厳しい査定は当分続く・・・】今回のように特に粉飾決算を行っていた訳でもなく回収を含めた融資を受けることも決定していたものが急変するなど、金融機関の企業を見る眼は今まで以上に厳しくなっている。(株)浅野工務店が破産との一報を取引先へ送ると回収にトラブルでもあったのか、というほど取引先は驚きの声を発していたのが印象的であったが、与信管理のあり方を含めて今一度企業の見方をかえていかなければならない時代となっている。 |
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