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(株)多々良〜破たんの真相


この記事は週3回(地区によっては週1回)郵送でお届けする企業情報紙「東経情報」から抜粋したものです。東経情報についてはこちら>>>

 5月9日、熊本地区トップゼネコンの(株)多々良が、熊本地裁より破産手続開始決定を受けた。あっけない幕切れに地場業界には激震が走ったが、100億円ゼネコンに返り咲いた当社に一体何があったのか、その真相を探ってみた。

【創業一族から生え抜き社長へ】

 受注の半分を占めるまでになり、再浮上の起爆剤ともなった「優渾」シリーズ。この独自ブランドを確立した実績を買われ、勢田氏は平成15年に代表へと内部昇格していた。平成18年5月には創業者一族の鑪氏が代表を辞任して取締役会長へと退き、勢田社長体制が強まっていた。しかし生え抜き社長は前社長時代の、過去の“負の遺産”までも引き継いでいた・・・。

【突然の出資要請】

 “負の遺産”は実に膨大で、これを考慮した財務内容は実質、債務超過に等しかった。昨年12月には国交省からの指摘を受けるに至り、急遽、不良資産の償却が急務となっていた。対応策として資本金を増強し、“不良債権問題と決別”する予定であった。
 4月以降、出資要請が本格化し「多々良が出資を募っている」ことが業界で話題となった。「出資要請は少なくとも1,000万円以上」や「従業員は年収分」といった話までも耳にするようになった。しかし「このご時世にとんでもない」や「厳しい単価で受注している上に、これ以上の負担を強いられても困るが・・・」という非協力的な声も聞かれ、思惑通り出資金が集まるのかどうか注目を集めていた。
 力関係もあり、約8億円の増資メドは立っていた?ようだが、結果的には口約束のままとなっていたようだ。
 この出資要請は(株)多々良の厳しい資金繰りの実態を暴露したようなもので、信用不安が急速に拡大した要因となった。その 最中、資金調達も絶望的となり、破たんへと至った。

【地場建設業界へのダメージは深刻化】

 地場ゼネコンの破たんが相次いでいる。昨年7月に破産手続開始の申立を行った西釜建設(株)(熊本市)、本年2月民事再生手続開始の申立を行った(株)木村建設(熊本市)、そして今回の(株)多々良。共通点として浮かび上がってくるのは、メーンバンク再編後の破たん・・・。サービサーに債権譲渡した西釜建設(株)、(株)木村建設の破たん事例とは異なり、(株)多々良の破たんは“ハードランディングも止むなし”という性質のもの・・・。
 このトップゼネコンさえも破たんに追い込まれたことで、照会の絶えない地場ゼネコンの淘汰は一気に加速しそうな気配である。
 また(株)多々良の専属的下請け業者からの連鎖倒産も続発しそうだ。昨年から金融機関側の都合が明確に打ち出されていることも感じられ、地場業界では緊張が張り詰めている。

 
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