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 トップ > 警鐘 >  <シリーズ> 激震走る!! 不動産・建設業界に倒産の嵐 〜破たんの真相〜 その5 (最終回)
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<シリーズ> 激震走る!! 不動産・建設業界に倒産の嵐 〜破たんの真相〜 その5 (最終回)


この記事は週3回(地区によっては週1回)郵送でお届けする企業情報紙「東経情報」から抜粋したものです。東経情報についてはこちら>>>

◆九州で今年最大の倒産劇


 首都圏シフトが裏目に

 8月8日、宮崎県最大の総合建設会社・志多組(本社・宮崎市、志多宏彦社長)が東京地裁へ民事再生法を申請し自主再建を断念した。申し立て時点での負債は約278億円で、5日に同法適用を申請した不動産管理会社の丸美(本社・福岡市)の210億円を上回り、九州地区では今年最大の倒産となった。分譲マンション受注にシフトを強め受注を伸ばしてきたが、昨年秋頃からのマンション業界の不振で受注環境が悪化し、6月に大口焦付きが続発。業績拡大の柱としてきた分譲マンション中心の受注形態が資金繰りを逼迫させる最大の要因となり、もろくもそのビジネスモデルが崩壊した。


 東京地区の分譲マンション受注にシフト

 1931年(昭和6年)創業の宮崎県を代表する名門建設業者。宮崎県、日本道路公団(現西日本高速道路)など官公庁を柱とした強固な受注基盤を持ち、96年6月期では売上高353億円を計上していた。しかし、公共工事の削減、それに県内における民間建設需要の停滞などその落ち込みをカバーするため、東京支店を中心とした首都圏における建築工事の受注展開にシフトを強め、なかでも分譲マンション受注においてその結果を発揮してきた。2002年6月期の売上高300億円からV字形で売り上げを伸ばし、07年6月期では378億円と過去最高を計上した。この頃の受注比率は東京地区約50%、宮崎県約40%、その他の地区約10%と東京と宮崎の2拠点を柱とした体制に転換を果たし、この右肩上がりの売上高をみるとまさにフル体制の状況にあった。


 入札制度の厳格化も大きなハードルに

 05年11月、姉歯建築設計事務所による構造計算書偽装が発覚。志多組が施工していたヒューザー発注の「グランドステージ稲城」も同事件に関係した事が明らかになり、同社の名前は全国に知れ渡ることとなった。この件で、同社が処分を受けることはなかったが、姉歯事件をきっかけに建築基準法が改正され、耐震性の増大など建築コストが上昇し建築会社に求められる負担が増したといわれている。米国発のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)に端を発した金融情勢の変化もディベロッパー側の資金調達手段を狭め、同社側の受注面に響いたようだ。そして、原油高などによる資材高騰で建築コストは大きく上昇。さらには公共工事における入札制度の変化では特に宮崎県は官製談合事件を受けて、入落札条件の厳格化が実施され、指名入札から一般競争入札への移行が進み、公共工事の利益確保が難しくなったという。このようにマンション工事で受注を伸ばす一方、様々な経営環境の変化が生じ、収益構造は悪化の一途を辿ってきた。そうした中、6月に青木不動産(本社・東京都)に4億円、同じく6月にケイ・エス・シー(本社・東京都)に20億円と大口焦げ付きが続発、7月以降資金繰りが急速に悪化した。

 5月の多々良(本社・熊本市、負債53億円)、6月の丸栄建設(本社・鹿児島県鹿屋市、負債84億円)、そして今回の志多組の民事再生法の適用申請による自主再建の断念。各社に共通することは、近年、右肩上がりで売り上げを伸ばしていたこと。建設業界において各社が、受注確保に苦慮している中、受注を伸ばすためにはよほどの営業努力が必要だが…。勿論、すべての売り上げを伸ばしている建設会社には当てはまらないが、3社とも自転車操業的な資金繰りに陥っていたため、売り上げ重視の経営を余儀なくされていたのではないかとも感じさせられる。

「急成長は本物なのか?」これを見極める分析力が必要となってきた。


(了)

 
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