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 トップ > 警鐘 >  <シリーズ> 激震走る!! 不動産・建設業界に倒産の嵐 〜破たんの真相〜 その4 (4/5)
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<シリーズ> 激震走る!! 不動産・建設業界に倒産の嵐 〜破たんの真相〜 その4 (4/5)


この記事は週3回(地区によっては週1回)郵送でお届けする企業情報紙「東経情報」から抜粋したものです。東経情報についてはこちら>>>

◆アーバンコーポレイション倒産の深層 時価総額経営の光と影(続き)


 予期せぬ事態相次ぐ

 しかし、サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題に端を発した世界的な金融市場の混乱と収縮が大きな影を落とす。07年末頃より金融機関の不動産業界に対する融資姿勢が急変し厳格化。そのような中、08年2月に発行した「2011年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債」は、当初の額面総額は500億円であったが、最終的な払い込み金額は270億円と当初の計画を大幅に下回ることになった。これが、サブプライムローン問題で揺れる株式市場で過剰反応を引き起こし、大幅に株価は下落した。

 同年3月には、実質100%出資のSPCが購入した不動産の立ち退き交渉を依頼した業務委託先が弁護士法違反で逮捕されるというトラブルが発生。反社会勢力との関わりがあるとの風評が金融・不動産業界を駆け巡った。会社側は、外部専門弁護士にコンプライアンスに違反するような事業活動が行われていたのか調査を依頼。同年4月には関与していないとの回答を得て、金融機関に説明を行うなどしたが、結果は芳しいものにはならなかった。
 また、同年7月に入ると筆頭株主であった房園社長が保有し、金融機関に差し入れていた自社株が担保権行使で売却され、遂に株価はストップ安となった。


 スワップ契約における想定外

 また、後に判明したことであるが、見逃せない事実として、今年7月11日に新株予約権付き社債の発行により入金されたはずの300億円が、実は引受先であるBNPパリバとのスワップ契約によりBNPパリバ側へそのまま還流していた。一方でこのスワップ契約に基づき同社に対して支払われる300億円は、民事再生申し立て時点で73億1400万円にとどまった。この原因となったのが、時価総額経営を支えていた株価の下落である。7月11日時点で株価はスワップ契約の下限価格250円を下回る214円に沈み、さらに8月13日の申し立て当日には62円まで低下。これにより株価と出来高を元に行われる同社への支払いは想定を大幅に下回る一方で、既に149億8000万円分の新株予約権付き社債は株式に転換され、同社が今後受け取るべき想定元本も127億3300万円にまで減少。さらに民事再生手続き開始申し立てにより契約解除となり、差額分50億円超が同社の損失として加わるという状態になった。

 この間、BNPパリバ側は前述の通り株式転換により同社株式を39・10%所有する筆頭株主に踊り出るものの、21・01%にまで持ち株比率を低下。さらにはメリルリンチ証券など複数の金融機関から67・6万株の株式借り入れを行うなどの動きを見せており、この動きが信用取引の売り方と並んで、株価の下落の一因を担った。結果だけ見れば同社にとって不利な一連の契約であった。時価総額経営といわれていた同社が、最終的に足元をすくわれたのが自身の株価というのは、あまりにも皮肉な話である。


 今年最大の倒産劇へ

 2008年8月13日15時、東京支社会議室に取締役8名、監査役3名が集結した。その取締役会議の第1号議案が「民事再生手続き開始申し立ての件」であった。最後の頼みの綱であった資本提携のアライアンスが合意に至らず万策尽き、同年8月14日以降8月31日までの間に到来する約180億円の借入金、社債、手形債務の弁済が不可能な状態となったのである。議案は全員一致で承認可決され、15時30分閉会。議事録に記名捺印がなされた。そして、本来であれば、四半期決算を発表する予定になっていたお盆入りの日、アーバンコーポレイションは東京地裁に民事再生手続き(事件番号2008年(再)第175号)を申し立てた。申請代理人は、現在国内で最大手といわれている森・濱田松本法律事務所(東京都千代田区)で、申請代理人弁護士は13名。負債総額は2588億円に上り今年最大の倒産となった。会社側は、倒産に至った主たる要因は信用収縮で、今後はスポンサーによる信用補完を得たいとしており、スポンサー選定の行方が注目されるところである。


◆アーバンコーポレイション倒産の深層 時価総額経営の光と影(了) (その5へつづく)

 
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