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新会社法のポイント


払込金保管証明は不要に 取締役は自分1人でもOK
 また現在は、会社を設立する際に金融機関から払込金の保管証明を受ける必要があるが、新会社法ではこれが不要になり、金融機関の残高証明だけでいいことになる。これまですぐに対応してくれない金融機関もあったが、来春からは普通口座に預金があれば、簡単な手続きだけで取れる残高証明の添付だけでよくなり、会社設立のスピードアップにつながる。
 類似商号禁止の規制も撤廃される。現在は同一市区町村内で同一の営業内容で同一の商号を登記できないという規制がある。このため審査に時間と手間がかかっていたが、この規制の撤廃は会社設立のスピード化につながる。
  ただし、例えば福岡市で「株式会社トヨタ&日産」という商号をつけることは新会社法上は可能だが、「不正競争防止法」という法律で、不正競争の目的による商号は、登記の有無に関係なく禁止されている。
  現在、株式会社をつくるには、最低、取締役を3人、監査役を1人そろえなければならない。つまり、自分以外に3人連れてこなければならない。そこで、1人で会社を起こす場合は親族や知り合いに名義だけの役員になってもらうのが普通だった。しかし新会社法は、そんな面倒なことをしないでも、自分1人でも設立できるようになる。ただし株式譲渡制限のある中小会社に限られる。
  取締役は1人でもよくなったのだから、当然、取締役会も開く必要がない。これまで株式会社では取締役会を義務づけられていたが、中小企業の多くは取締役会などを開いていないのが現実だった。
  このように会社設立や取締役会などの機関設計に関する改正は、規制を緩和したというより、今の中小企業の実態に合わせた改正といった方がいいだろう。
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有限会社は廃止、新しい会社はすべて株式会社
 新会社法の法制上の一番大きなポイントは、有限会社の廃止、つまり今後は有限会社をつくれなくなるということで、法制的には1938年の有限会社法制定以来の大改正になる。
  現在の中小企業は、株式会社の形態を採っている企業が104万社、有限会社の形態の企業が142万社といわれている。これからは有限会社も株式会社に取り込まれることになるが、株式会社に移行する意志がない有限会社は実態は変わらず、煩わしい手続きも必要ないので、実質的にはそのまま存続可能だ。ただし「有限会社法の廃止にともなう経過措置」により、従来の有限会社は株式会社として存続しながらも、その商号の中に「有限会社」という文字を用いなければならない。
  つまり既存の有限会社は新しい株式会社に転換することもできるが、現状のままでとどまることもできる。既存の有限会社のなかには、有限会社の名称では新卒者の採用が難しい、対外的に格好が悪い、信用力が増すというので株式会社に変わる経営者が多いと見られているが、一方、1円でも株式会社がつくれるようになれば有限会社の名称のままでもいいという経営者も多いはずだ。
 
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