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一番最後に倒産する組織になるために


はじめに… やってだめならもっとやれ!

我が国では、総人口の減少といういまだかつてない産業構造の変革期を迎えております。これ以前に西暦2000年には、生産年齢人口は既にピークアウトし、今や護送船団方式の1億総中流社会構造は、制度疲労を起こしつつあります。フィルムカメラはデジカメへとニーズが変わり、携帯電話の回線数が地上回線を追い抜き、デパートよりコンビニの売り上げが上回り、共存から競争、そして格差社会へと劇的に変貌を遂げつつあります。この目まぐるしい変革期を迎えるにあたり、社会と共生し拡大均衡を成し遂げるためには、「どうなるか」ではなく『どうするか』に軸足を置いた戦略的な経営理念と、普遍的顧客満足の飽くなき探求にこそ企業の存続、発展、承継の答えがあるはずです。

私は、経営コンサルタントとして、クライアント様が生き残る事には関心がありません。勝ち残ることにこそ、価値があるものと考えます。事業環境に幾重の困難が予見されようとも、高い山に登るほど清流にありつけるが如く、安易な平坦な道は選択せず、技術や経験を縦糸に、想像力や情熱を横糸に、高い顧客満足を織り上げることこそが、 今最も経営者に求められている経営姿勢です。

変わらないために、変わる

難局打破のため、ピンチはチャンス、チャンスはチェンジ、チェンジはチャレンジを念頭に、変わらぬために変える必要があります。生産活動の本質とは何か?それは、お金をどのように集めてどのように使うか、ただそれだけです。極めてシンプルなものです。そのためにはどうするか?

ここから経営が始まります。経営には、センスが必要とは、よく聞く言葉です。では、センスとは何でしょうか?語源を紐解くとそれは、『注意力』という解釈になります。今、社内で何が行われているか、当面の経営課題は何か、市場対応のフォーカスは合っているか、経営には先ず以って注意力が肝要です。その上、経営を考えるときには、形容詞ではなく、動詞で語るべきです。さもなくば、努力と根性と熱意のような(確固たるスキームのもとで、その刷り込みの手段としては大切ですが)精神論が支配し、宗教的な方向に陥ります。

浮き草経営から成幸経営へ

経営を身体に置き換えてみましょう。情報伝達は感覚神経。それを判断するのが脳神経。指揮命令系統は運動神経。このように考えると、課題の輪郭が立体的になります。報告が悪ければ判断ミスに繋がり、これは感覚神経のマヒ。会議の質が悪ければ方向性を失い、これは脳血栓。指示業務を履行しなければこれは運動障害。企業の血液はお金ですから、高金利で?マチ金“に手をだせば血行障害を起こし、場合によっては致命的なことにもなりかねません。

学術的経営理論については、また別の機会にご案内することとして、抽象的な経営理論や精神論に解決の糸口は見当たらず、答えは現場にこそ埋もれています。これは、過去、1000社を超える多種多様な業種職種の企業団体の審査を経験し、700社3000プロジェクト以上の経営現場を支援した経験に基づく結論です。前置きが長くなりましたが、早速、コンサルと審査現場から抽出した成幸(成功)の方程式を公開しましょう。実践的経営戦略発掘の糸口に寄与できれば幸甚です。

実録 経営コンサル指導実例

それは、北関東地区で数十店舗を展開する創業40年のクリーニング業者。創業者である父親からの事業承継に期を同じくして売り上げ減少傾向が始まり、コンサル開始前の直近3年間で毎年、対前年比10%以上ものマイナス成長。その結果、資金繰りに多忙を極め、ついにはノンバンクやマチ金筋をも摘まみ食いする始末。オンサイト訪問指導中にも借金取りの督促来社。目の前に繰り広げられる断末魔の光景。これを受けて、極めて緊急を要する事案と考え早速社内にてアイデア出しミーティングを招集。議題はクリーニングリバイバルプラン。半日にわたり激論が展開されその結果、ピザ宅配チェーン店を展開する当社クライアント様へ協力を要請。その内容は、ピザを宅配する時に同時に届ける最新版のメニュー表・領収書等をパックしたビニール袋の中に、『ピザを食べて汚しちゃったらご利用下さい』と銘打って、割引券(持ち込み来店用)と、集荷専用フリーダイヤルシール(集配用)を同封してもらうというもの。チェーン店本部サイドもこれを快諾。早速クリーニング店舗所在地各地の近隣ピザ店舗をピックアップし、各店舗に前述の割引券とシールを配って作戦開始!初日から集荷依頼の電話と持ち込み来店がちらほら。順調な滑り出しと思いきや、翌日は通常の4倍もの売り上げ。それ以降も順調に推移し、初月実績は何と、対前年同月比330%アップで、工場は久々のフル稼働状態。これにはスタッフの皆さんも嬉しい悲鳴。不思議なのは、閑古鳥が鳴いていた時の方がむしろクレームが多かったこと。集荷物の山を目の前にスタッフの皆さんのモチベートは上がる上がる。こんな日が続き、借り入れも全額、その返済目処がたったある日、突然に先代が急逝…。トンビが鷹を産んだ、いつか世間からそう言わしめますよ。それが私達の仕事ですから。

必読!尻すぼむ会社の傾向とは?

どんな大きなダムでも、針の穴ひとつ空いただけで崩壊します。築城3年落城3日ともいいます。審査の経験上、業績が逓減傾向に陥る企業に共通の傾向をご紹介しましょう。

□会議が単なる報告会。□強面で声の大きな社員ばかりが幹部。□役職ごとに、椅子が違う。□名刺がつまらない。□会社案内が古い。□デスクマットが裏写りしている。□幹部陣が、直属の上司の頭越しに従業員に指示している。□取引先を把握していない。□稟議起案制度がない。□取引先が長年固定化されている。□年下の上司が、年上の部下に敬語を使わない。□リース物件が多い。□電話応対の印象が悪い。□給与体系が不透明。□社内を小走りに移動する社員が見当たらない。□個人購入を強いられる備品が多い。□与信管理が欠落。□年配の女性経理社員が幅を利かせている。□跡継ぎや中途採用者が、いきなり幹部登用。□定時で帰れる時が寡少。この中で、あてはまるものが4つ以上あれば、危険信号。

さらに続けましょう。次は、経営者や管理職に対するものです。□従業員を食事に誘わない。□冠婚葬祭に無関心。□やたら自慢話をしたがる。□代表者だけ、高級車に乗っている。□代表者の知人や友人が頻繁に会社へ訪問してくる。□代表者や幹部社員が、プライベートな事に社員を使う。□居場所を明確にしない会合や寄り合いへの参加が多い。□ありがとう、頼んだよ、の言葉がない。□辞めた社員を再雇用している。□自分を信用していないのではと感じることがある。この中から、2つ以上該当があれば危険水域。

この場合、その「危険」とは会社の存続ではなく、実は、従業員自身にフォーカスが向かいます。仮に前述のすべてが当てはまるとしましょう。この場合、そんな企業に誰が働き続けたいと思いますか?モチベーションが上がりますか?そうです。業績が逓減傾向に固定されるその前には、従業員の離職率が逓増傾向に陥ります。組織の問題は、そのほとんどがヒトの問題に帰着します。従業員に軸足を置いた企業風土の醸成こそが、業績アップの基本中の基本で す。

ヒトは金に付くのではなく、企業風土に付くものです。

ISO=USO=SOS?

審査現場では、単なる言葉遊びの規格を振りかざした、実状とは乖離したシステム構築が散見されます。本来は、組織に規格を溶かし込むことで、社内に核融合(活性化現象)が起きます。眠っている収益向上の種に栄養と温度と水を与えます。組織の制度疲労と液状化を阻止します。そして本当の認証取得のメリットは、訴訟社会を生き抜くための企業保険効果です。万一の際の連帯保証機能が確立されるためです。作成した文書は、即、法廷証拠として採用されるだけのフォーマットでしょうか?弁護士のクリーニングを経ているものでしょうか?何のためかと目的をハッキリさせた様式ではない限り、通常業務との二重帳簿状態が発生し、規格導入が形骸化します。次回は、この、アイエスオー審査現場から、全国の審査実例をご紹介します。

最後に、経営格言

『いろんな会社に出入りして、コンサル指導にフィードバックしたい♪』そんな希望からなってみたものの、○か×か、アウトかセーフか、絶えず二価的判断を要求される審査員は、重箱の隅探検隊を決め込まないと出来ない職業です。ヒトが生きるということは、どれだけ他人の中で活きれるかに掛かっていると考える自身にとっては、コンサルとは違い、その規定上、一切のアドバイスが出来ない審査現場では真の意味での顧客満足を得ているとは言い難く、これは、全審査員共通の悩みで、最大の検討課題です。人生は、必ず途中で終わるもの。悔い無き生涯創出のためにも、夢は持ち続けたいものです。不思議と、夢しか実現しないものです。それを実現するため直面している課題は、苦労ではなく経験の筈。乗り越えられない苦労など、神様は提供しません。経営は、つらいと思ったときが上り坂、楽になったら下り坂。砂浜は歩きにくいが、足跡がシッカリと残る。アスファルトは、歩きやすいが、足跡など残らない。つらくとも、苦しくとも、足跡がシッカリと残る歩き方を続けたいものです。悩みが思い出に変わります。


(株)システムコンストラクション
http://www.sys-con.jp/
代表取締役
財団法人日本規格協会品質審査員
清野秀道
 
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